【体験談】実の父親の悪口を言う子どもに、継父としてどう答えるか
目次
ステップファミリーとして暮らしていると、ある日突然、子どもが「実の父親(前夫)」に対する強い怒りや不満を口にすることがあります。
今回は、連れ子の娘(中学生)から実の父親の悪口を言われた時、つい同調してしまい関係が悪化したものの、そこから大切なことを学んだというステップファザー(Uさん・40代)の体験談をご紹介します。
一緒に悪口を言ったら、娘が泣き出した
再婚して2年目の頃、中学生の娘が実の父親と面会交流をして帰ってきた日のことでした。 娘はとても機嫌が悪く、リビングのソファにカバンを投げ捨ててこう言いました。
「あの人(実の父親)、私の話なんて全然聞いてくれない。お母さんと別れたのもあの人の身勝手のせいだし、本当に最低!」
私はその言葉を聞いて、「娘が自分の方(今の家族)に心を許して、前夫を否定してくれている」と心のどこかで嬉しく思ってしまいました。そして、良かれと思って娘の言葉に同調したのです。
「そうだな。お母さんを苦しめたあんな男のことは、もう忘れちゃえばいいよ。これからは俺が本当の父親としてお前を守るから」
私がそう言った瞬間、娘の表情が一気に凍りつきました。 「……なんで、本当のお父さんのこと、そんな風に言うの?」 娘はそう言ってポロポロと涙を流し、自分の部屋に閉じこもってしまいました。私は何が起きたのか全く理解できませんでした。
「悪口を言っていいのは自分だけ」という子どもの心理
その後、妻から娘の複雑な心理について教えられ、私は深く反省しました。
子どもにとって、実の父親はどれだけ問題のある人物だったとしても、「自分の半分を作っているルーツ」です。 娘が「あの人なんて最低!」と言ったのは、あくまで「自分を傷つけたことに対する悲しみの吐露」であり、他人に実の父親という存在そのものを全否定してほしかったわけではないのです。
「自分の親の悪口を言っていいのは自分だけ。他人が自分の親を悪く言うのは絶対に許せない」 これは、子どもに限らず人間の普遍的な心理です。継父である私が前夫の悪口を言ったことは、娘の存在の半分(ルーツ)を否定し、深く傷つける行為だったのです。
正しい答えは「同調」ではなく「共感」
では、子どもが実の父親の悪口を言ってきた時、継父はどう答えるのが正解だったのでしょうか。
それは、相手を否定する「同調」ではなく、子どもの悲しみに寄り添う「共感」でした。 「そっか。話をちゃんと聞いてもらえなくて、悲しかったね(悔しかったね)」 ただこれだけで良かったのです。実の父親の評価には一切触れず、子どもが今感じている「悲しい」「悔しい」という感情の部分だけにフォーカスして、受け止めてあげること。
後日、私は娘に謝りました。 「この前は、君の本当のお父さんのことを悪く言ってしまって本当にごめん。君にとって大切な人なのに、嫌な思いをさせたね」 娘は「ううん、私も八つ当たりしてごめんね」と許してくれました。
継父の皆さんに伝えたいのは、子どもが実親をどう評価しようと、あなただけは絶対に実親の悪口に加担してはいけないということです。子どもの感情のサンドバッグになり、ただ黙って背中をさすってあげること。それが、継父にできる最高のメンタルケアなのです。
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