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体験談・エッセイ

【体験談】連れ子の反抗期が終わり、一緒に酒を飲んだ夜の感動

【体験談】連れ子の反抗期が終わり、一緒に酒を飲んだ夜の感動
「クソジジイ」と罵られ、壁に穴を開けられた激しい反抗期。あれから数年、無事に成人を迎えた連れ子(息子)と初めてサシで居酒屋に行き、お酒を酌み交わした夜。長かったステップファミリーの航海が一つのゴールを迎えた感動の体験談です。

ステップファミリーにおける男の子の「反抗期」は、時には警察沙汰を覚悟するほど激しく、継父の心を完全にへし折るほどのエネルギーを持っています。

今回は、連れ子の息子の壮絶な反抗期を乗り越え、彼が20歳になった夜に初めて二人で酒を酌み交わしたという、ステップファザー(Oさん・50代)の体験談をご紹介します。


「お前なんか親じゃねえ!」と壁に開けられた穴

私が妻と再婚した時、連れ子の息子は小学5年生でした。最初はとても素直で可愛い男の子でしたが、中学2年生になった頃から、絵に描いたような激しい反抗期が始まりました。

髪を染め、夜遅くまで遊び歩き、注意をすれば「クソジジイ! お前なんか親じゃねえよ!」と暴言を吐く日々。 ある夜、あまりにも態度が悪かった息子に対して私がきつく叱責したところ、息子は怒り狂い、私の目の前でリビングの壁を力任せに殴りつけました。壁には大きな穴が開き、妻は泣き崩れました。

「もうダメだ。この子とは絶対に分かり合えない」 私はその壁の穴を見るたびに、自分が父親になろうとしたことの無謀さを呪い、息子に対する恐怖と怒りで心が壊れそうになっていました。

しかし、私は家を出ませんでした。 「ここで逃げたら、こいつは一生、大人を信じられない人間になってしまう」 そう思い直し、私は「叱る」ことを一切やめ、ただ「お前が何をやっても、俺はここから逃げないぞ」という態度だけで息子と対峙し続けることにしました。


嵐が過ぎ去り、迎えた20歳の誕生日

高校を卒業し、就職をして社会の荒波に揉まれるようになると、息子の反抗期は憑き物が落ちたようにスーッと静まっていきました。 挨拶を返すようになり、妻の手伝いもするようになりました。しかし、私と息子との間には、あの「壁に穴を開けた夜」から続く、見えない深い溝がまだ残っていました。

そして、息子が20歳の誕生日を迎えた夜。 仕事から帰ってきた息子に、私はリビングで「誕生日おめでとう。20歳になったんだし、今度の日曜日、二人で飯でも食いに行かないか?」と声をかけました。断られるのを覚悟していましたが、息子は少し驚いた顔をした後、「……うん。行く」と答えました。


居酒屋でのサシ飲み、そして涙の謝罪

日曜日、私たちは駅前の大衆居酒屋のカウンターに並んで座りました。 生ビールで乾杯をした後、しばらくは仕事の話など当たり障りのない会話をしていましたが、息子のジョッキが2杯空いた頃、彼が突然、真剣な顔で私を見つめました。

「あのさ……昔、ひどいこといっぱい言って、ごめん。壁、穴開けたりして」

私は驚きました。彼がその話に触れるとは思っていなかったからです。

「あの頃、親父(私のこと)が俺とお母さんを捨てて、どっか行っちゃうのが怖かったんだと思う。だからわざと嫌われるようなことして、試してた。本当にごめんなさい。逃げずに、ずっと育ててくれてありがとう」

息子はそう言って、カウンターにポタポタと涙をこぼしながら頭を下げました。 私も限界でした。「バカヤロウ、そんなの気にしてねえよ。俺も、上手く父親になれなくて悪かったな」と言いながら、涙でぐしゃぐしゃになった顔を隠すためにビールを呷りました。


ステップファザーの航海が報われる日

反抗期の真っ只中にいる時、ステップファザーは「この地獄が永遠に続くのではないか」と絶望します。

しかし、子どもは必ず大人になります。 あなたが逃げずにそこに立ち続けた背中を、子どもは必ず見ています。あのリビングの壁の穴は、今では私と息子にとって「あの時はヤバかったよな」と笑い合える、家族の絆の勲章になりました。

今、子どもの反抗期で苦しんでいるお父さんたち。どうか、諦めないでください。 数年後、一緒に美味い酒を飲むための準備期間だと思って、今はただ、そこに居続けてあげてください。


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